150年受け継がれてきた
稲作のかたち

生産者紹介
太田家×名刀味噌本舗

2026-01-17

吉井川水系の豊かな水に支えられた地域で、長く受け継がれてきた稲作の営みのもと「アケボノ」を栽培している太田家の皆さん。名刀味噌本舗で「玄米あま酒」の掛け米として使わせていただいています。

歴史を刻んできた建物と
稲作を支える豊かな用水

瀬戸内市邑久町で米づくりを続ける太田家。その歴史は江戸時代末期・文久の頃まで遡ります。敷地には移築して130年以上経つ建物が今も残り、奥へと伸びる土間や現役の台所、かつて使われた竈(かまど)など、当時の農家の暮らしがそのまま息づいています。

この地域の稲作を支えているのは、吉井川水系の二つの用水です。下流側から豊富な水を運ぶ「伊郷木(いごき)用水」と、上流側から流れる「築山(つきやま)用水」。互いを補い合う二つの流れが田んぼを潤し、安定した水利をもたらしています。

大粒のアケボノ米を育てる
丁寧な水と土の管理

太田さん一家が育てているお米は、すべて「アケボノ」。
名刀味噌本舗では、このアケボノ米を掛米(かけまい)として使用し、「玄米あま酒」を製造しています。
管理している田んぼは約1.5町。田植えや稲刈りの繁忙期には親戚も加わりますが、日々の田んぼの管理を担うのは、五代目・邦彦さんと、六代目となる息子の泰平さんです。

特に大切にしているのが、草取りと水の管理。邦彦さんは田草をこまめに取り除き、水の流れを妨げるものがあれば自ら整えます。自分の田んぼだけでなく、周囲の田んぼへの影響にも目を向けながら、毎日欠かさず田んぼの様子を確認しています。
こうした丁寧な草取りによって、農薬の使用量を極力抑えた減農薬栽培が成り立っています。

水の管理についても、太田家は地域の用水を管理する「樋守(ひもり)」としての役割を担い、地区全体の水の流れに気を配っています。日々の細かな調整と見回りが、安定した稲作を支えています。

肥料は、化学肥料を極力控え、基本は牛糞堆肥。とはいえ完全な無施肥では難しいため、土壌の窒素が不足する際には、根張りを助ける目的で必要最小限の硫安(硫酸アンモニウム)を補います。

収穫のタイミングにも、太田家ならではのこだわりがあります。
穂の色づきや根元の状態を見極め、成熟をぎりぎりまで待ってから刈り取り。籾の水分が約20%の段階で収穫し、乾燥で14%まで落としたのち、少し水分を戻してから精米します。
「完全な有機ではないけれど、できるだけ自然に近いかたちで」。
その想いを軸に、無理なく、継続できる稲作を続けています。

地域のつながりから生まれた
玄米あま酒

太田さん一家とのご縁がスタートしたのは、2022年頃のこと。
名刀味噌本舗が関わっていた「備前市栄養委員会」さんの味噌づくりのチラシを、太田家のお母さん・正子さんが目にしたのがきっかけでした。

「自分たちが丹精こめて育てたお米を、ぜひ使ってもらいたい」——
その言葉には、日々手をかけ、守り続けてきた米づくりへの想いが込められていました。正子さんのご実家が備前市にあったことや、地域の取り組みとして続く味噌づくりに、自分たちの米を役立てたいという気持ちから、名刀味噌本舗へ連絡をいただきました。

そして、地域の味噌づくりの原料として太田さんのお米を提供していただく関係が続くなかで聞こえてきたのが、「こだわって育てたこのお米を、一般流通だけで終わらせたくない」という太田さんの言葉。
名刀味噌本舗では、おいしさや背景がより伝わるかたちとして、「玄米あま酒」の掛け米に使い始めました。
2025年産のお米からは「合わせ麹味噌」の玄米麹にも使用していく予定です。

地域で育まれた縁と、太田家の皆さんが米づくりに注いできた情熱。
その想いが重なり合い、名刀味噌本舗の商品づくりに新しい広がりをもたらしてくれました。

太田家の素材を使った商品のご紹介